投資未経験者が株式で勝つために必要な知識

今回は株式投資をするうえで

必要最低限の知識、投資方法をまとめてます。

 

目次

1 そもそも株式とは

  1-1株式の歴史

  1-2株式投資の始め方

  1-3株式投資で得られる効用

2 二つの収益

  2-1インカムゲイン

  2-2キャピタルゲイン

3 投資先選び

  3-1重要な財務指標

  3-2バリュー投資とグロース投資

4 まとめ

 

1 そもそも株式とは

 

株式とは株式会社が発行するもので、その株式会社の所有権のことです。

株式を持っている人のことを株主と言いますが、株主は実質的なその会社のオーナーということになります。

 

1-1株式の歴史

 

株式は17世紀の初めにオランダ東インド会社が初めて発行したといわれています。

そのころはヨーロッパの列強諸国はアジアやアフリカなどへ帝国主義的な海外進出を行っていました。

植民地などから香辛料や金、銀などの資源を持ち帰り利益を得ていました。

海上を船で移動するわけですが当時は今ほど航海技術もなく、無事に帰ってこれる保証はありませんでした。

航海に失敗した場合、そこに出資した人は損をします。また航海には相当な費用が掛かります。

株式会社ができる前は航海一回ごとに出資者を募り、その航海で得た利益を出資者で分配していました。航海が失敗した際はお金は戻ってこず、大損してしまうリスクがありました。

この問題を解決するために株式会社という仕組みができました。

株式を発行することで広く出資者を募り、多額の資金を集めることで、複数回の航海を可能にし、そこで得た利益を分配することができるようになりました。

一回限りの資金集めではなく複数回にわたる航海をするための資金調達が可能になったおかげで、航海が失敗した時のリスクを大幅に減らすことができました。

 

今の株式会社では、事業で得た利益を配当金という形で株主に分配しています。

 

 1-2株式投資の始め方

 

株式投資を行う際はまず証券会社で株取引用の口座を開設する必要があります。

証券会社によって売買時の手数料や付帯サービス、注文の出し方など違いがあります。

 

証券会社は対面証券会社とネット証券会社の二つに分類できます。

 

対面証券会社とは、野村証券大和証券日興証券などの、支店が各地にあり、株式市場の動向やおすすめの銘柄などの投資に関するアドバイスを受けることができ、総合的な対面営業をしている証券会社のことです。

 

ネット証券は支店などを持たず、口座開設から取引に至る一連の流れをすべてオンラインで提供している証券会社のことです。

 

対面証券会社は、担当の営業マンからサポートが受けれるため、安心して取引を開始することができる一方、取引をする際の手数料が高いです。

ネット証券は担当などはつきませんが、取引の手数料が安いのが特徴です。

 

証券口座は銀行口座と同じで複数の会社で開設が可能です。

なのでこれから株式投資を始める方は、対面証券、ネット証券でともに口座を開設してみるとわかりやすいと思います。 

 

1-3株式投資で得られる効用

 

 先述の通り株式とは、その会社の所有権を意味します。

株式を持つとどんなメリットがあるか下記にまとめます。

 

➀配当金が得られる

株主総会での議決権が得られる

株主優待が得られる

 

➀配当金が得られる

株主はその企業の利益から配当金を受け取ることができます。

ただ企業によっては配当金を出さないこともあります。

多くの配当金を出している会社のことを高配当銘柄といいます。

例えば、JTソフトバンク日本郵政などがこれに該当します。

投資した金額に対してどのくらいの配当金がもらえるのかを配当利回りと言います。

ソフトバンクの場合、現在年間の配当利回りは5%以上あります。

つまり100万円をソフトバンクに投資した場合1年で5万円以上の配当金が得られるということです。

配当金の金額は毎年の業績に応じて変わるものなので、一生もらえるものではないということに注意してください。

 

株主総会での議決権が得られる

株主総会とは株式会社の最高意思決定機関です。

株主で構成され、その会社の方針や重要な事項を決定します。

取締役などの経営者がきちんと機能しているのか監視する場であるといえます。

株主総会で決議される内容には、定款の変更、取締役の選解任、取締役の報酬、剰余金の配当などがあります。

株式を保有している量に応じて議決権が強まります。

 

株主優待が得られる

株主優待とは株式会社が一定数以上の株式を保有する株主に与える優待制度のことです。

配当金と違い株式会社が自由に設定することができ、現金ではなく自社サービスの割引券、商品券やお食事券などを提供することが多いです。

株主に対するお礼のようなものです。

例えば、イオンは株主に対して株主優待カードというイオンでの買い物がすべて3%オフになるカードを提供しています。

ディズニーランドを運営しているオリエンタルランド1デーパスポートなどを提供しています。

株主優待を受けたい場合はその適用条件(何株以上)などを確認して投資を行う必要があります。

 

2 二つの収益

 

株式から得られる収益は二つあります。

インカムゲインキャピタルゲインといいます。

 

2-1インカムゲイン

 

インカムゲインとは株式や債券などの資産を保有中に得られる収益のことです。

インカムゲインは継続的な収入が期待できます。

株式の場合、配当金がこれに該当します。

企業の業績によって支払金額が変動し支払われない場合もあります。

 

投資額に対して配当金がどのくらい払われるかを配当利回りといいます。

一株当たり配当金 ÷ 一株当たり株価 × 100 で計算できます

 

また企業の利益のうちどのくらいを配当金として分配するかを配当性向といいます。

一株当たり配当金 ÷ 一株当たり利益 × 100 で計算できます。

 

配当性向が高い会社は、それだけ会社が儲けたお金を株主に還元しているということになります。

 

なお、2021年5月11日現在の日経平均採用銘柄の配当利回りの平均は約1.70%です。

 

2-2キャピタルゲイン

 

キャピタルゲインとは資産を売却することで得られる利益のことを言います。

株式の場合、買った時の金額より売る時の金額が高ければ、その差額がキャピタルゲインになります。

キャピタルゲインインカムゲインに比べ利益が大きくなることが多いです。

ただ株価は日々変動するので利益が出るとは限りません。

 

インカムゲインは資産保有中に得られる収益なのに対して、

キャピタルゲインは資産を売却した時に得られる収益です。

 

3投資先選び

どこの銘柄に投資するかを選ぶうえで参考になる指標や投資手法をご紹介します。

 

3-1重要な財務指標

 

下記指標はヤフーファイナンスやEDINETなどで確認することができます。

EDINETとは有価証券報告書などの情報開示システムのことです。

 

自己資本比率

②営業キャッシュフロー

③営業キャッシュフローマージン

ROE

⑤PER

 

自己資本比率

これは総資産に占める自己資本の割合のことです。

自己資本とは返済義務のない企業の資産のことです。

一方、銀行融資や債券などで調達した返済義務のある資産のことを他人資本と言います。

自己資本他人資本を合計したものを総資産と言います。

 

自己資本比率は企業の財務的な健全性を測ることができます。

一般的にはこの自己資本比率が40%以上の企業が優良企業と言われています。

 

創業期や事業拡大期の企業は、自己資本だけではなく他人資本でも資金調達を積極的に行うことが多いので、その比率は低くなる傾向にあります。

 

②営業キャッシュフロー

これは企業の商品やサービスを販売することで得た売上から原材料費などの支出を引くことで得られる現金収支のことです。

言い換えると、企業の本業でどのくらい収益が出ているかを表します。

もちろん収益(プラス)でなく損失(マイナス)になることもあります。

 

投資先を選ぶ際、この営業キャッシュフローが毎年着実に増えていることが望ましいです。

また普通は企業の純利益は営業キャッシュフローより少なくなります。

もし仮に営業キャッシュフローより純利益のほうが大きくなっていた場合、本業以外のところで無理やり利益を計上している可能性があります。

例えば純利益を増やす目的で企業が保有する有価証券や不動産を売却していたりする可能性があります。

なので、投資先を選ぶ際は、企業の純利益だけではなく本業からの収益である営業キャッシュフローも確認したほうがいいです。

 

まとめると

毎年営業キャッシュフローが増えており、

純利益<営業キャッシュフローになっている企業が投資に向いているといえます。

 

③営業キャッシュフローマージン

これは企業の総売上高に占める営業キャッシュフローの割合のことです。

 

営業キャッシュフロー ÷ 売上高 × 100

で求めることができます。

 

一般的には15%を超えていると好ましいといわれています。

 

売上のうちどれだけ現金として残せているか、

つまり、どれだけ安定して儲かる構造ができあがっているかを測ることができます。

営業キャッシュフローマージンは大幅な事業転換などがない限りは毎年そこまで変わることはないです。

 

その会社の営業キャッシュフローマージンがどのくらいなのかを確認したうえで、同業他社と比較することで、どれだけ効率的にお金を儲けているかがわかります。

 

ROE株主資本利益率

株主資本を使ってどれだけの利益を生み出しているのかを表します。

 

純利益 ÷ 株主資本(自己資本) × 100

で求められます。

 

一般的に15%以上だといいとされています。

高ければ高いほどいいです。

 

ROEが高ければ、株主資本を効率的に使って収益を生み出していることになります。

営業キャッシュフローマージンと似てる性質を持っていますが、営業キャッシュフローマージンはどれだけ効率的に現金として売り上げを残せているか(無駄な費用をかけずに)を表しているのに対して

ROEはどれだけ効率的に株主資本を使って収益をだしているかを表しています。

 

⑤PER(株価収益率)

これは収益面からみて株価が割安かどうかを判断する指標です。

 

株価 ÷ 一株当たり純利益(純利益÷発行済み株式総数) 

で求められます。

これは現在の株価が、一株当たり純利益の何倍で取引されているのかを表します。

 

一般的に20倍以下が割安と言われています。

低ければ低いほどいいです。

 

例えば株価1000円の会社の一株当たり利益が100円だった場合

1000÷100=10

PER10倍ということになります。

10倍の場合、投資した資金を回収するのに10年かかることを意味します。

 

3-2バリュー投資とグロース投資

 

➀バリュー投資

バリュー投資とは企業の本来の価値に比べて割安になっている株式に投資する方法です。

割安というのは、その企業の適正価格より低く、実際持っているポテンシャルより市場で低く評価されているということです。

 

割安かどうかは、先ほどのPERなどで判断します。

今回説明はしていませんが割安かどうかを判断する指標に

PERのほかにPBRという指標もあります。

 

営業キャッシュフローマージンが高く、PERが低い企業であれば

投資した方がいい企業と言えます。

なぜならば、安定して儲ける構造ができていて、なおかつ、割安なため、市場で評価が見直され、株価が本来の水準に戻る可能性が高いからです。

 

②グロース投資

グロース投資はこれから急成長すると考えられている企業に投資する方法です。

今後の市場の成長率や利益の成長率などから将来性を判断し、大きく成長する企業に早い段階で投資します。

 

この場合割安かどうかは気にせず、投資します。

実際、短期間で株価を大きく上げている米企業のテスラ(2020年1月から1年間で株価が約8倍)のPERは600倍を超えています。

 

バリュー投資、グロース投資はともに

今後値上がりしそうな銘柄に投資するものですが

当然、読みが外れて値下がりすることもあります。

グロース投資のほうが外れた時の損失は大きくなる傾向にあります。

これから投資を始める方はバリュー投資を行う方が比較的リスクが少ないでしょう。

 

投資先を選ぶ際、

中長期的にその会社が儲かっていくであろう成長ストーリーがあたまに思い浮かぶかどうかがまず大事になります。

自動車産業に投資をする場合、今後、電気自動車などの環境に配慮した自動車の消費が増える可能性が高いです。それなのに、割安だからという理由だけで、ガソリン車の生産を増やすことばかり注力している自動車メーカーに投資をするのは危険です。

 

まずはその会社の将来性を考えたうえで、上記で紹介した指標を用い投資のタイミングを見定めるべきだと思います。

 

4まとめ

 

➀株式には配当金、株主総会での議決権、株主優待などのメリットがある

インカムゲインキャピタルゲインがある

③最初はバリュー投資がおすすめ

④投資先が10年後も儲かってそうなイメージがわくかどうかが重要

⑤財務指標を駆使し、会社の健全性や効率性、割安感などを見極める

 

以上