iDeCo(個人型確定拠出年金)について
こんにちは、ふじろーです。
今回は老後資金対策として活用できるiDeCoについてまとめてます。
iDeCoについて、またiDeCoを活用する際のポイントなどわかりやすくご説明していきます。
目次
1iDeCoとは
1-1iDeCoの仕組み
1-2iDeCoの費用
1-3法改正について
2メリットとデメリット
2-1メリット
2-2デメリット
3申し込みをする金融機関選び
3-1iDeCoの始め方
3ー2各社の手数料
3-3主な投資先
4まとめ
1iDeCoとは
最近、iDeCoや私的年金などという言葉をよく耳にするかと思います。
まずiDeCoとはなんなのかを説明していきます。
1-1iDeCoの仕組み
iDeCoとは、20歳から60歳の方が加入することができる公的年金に上乗せして給付を受けられる年金制度のことです。
公的年金との違いは、
➀自分で掛け金を決められる(月額5000円から最大6万8000円まで)
②預金や投資信託などの投資商品の中から運用先を決められる
③受け取れる金額が自分の積み立ててきた資金の運用成果に応じて変わる。
公的年金は保険料を払ったらその保険料は国が管理、運用していきますが、
iDeCoの場合、自分で管理、運用することができます。
また原則として60歳まで給付金を受け取れないのも特徴です。
受け取る際は一時金(一括)か年金(分割)として受け取ることが出来ます。
1-2iDeCoの費用
iDeCoには毎月支払う掛け金のほかにも手数料などの費用がかかります。
主だったものをご紹介します。
➀加入時、移換時手数料
②口座管理手数料
③給付手数料
④信託報酬
➀加入時、移換時手数料とは
iDeCoに加入したり、企業型DCから移換(乗り換え)するときの手数料です。
これにはiDeCoを管理している国民年金連合会に一時的に支払うもののほかに、運営管理機関(金融機関)に支払う場合があります。
国民年金連合会へは2829円(税込)が加入時にかかります。
②口座管理手数料とは
事務手数料、資金管理手数料、運営管理手数料の三つに分かれており
事務手数料、資金管理手数料で年間で2052円(税込)がかかります。
運営管理手数料はどこに金融機関から申し込むかによって金額は異なります。
③給付手数料とは
給付金を受け取る際にかかる手数料で、給付一回につき440円(税込)の手数料がかかります。
毎月受け取る場合は年間で5280円(税込)かかる計算になります。
④信託報酬とは
投資信託を運用する際にかかる手数料です。
iDeCoで積み立てた資金を投資信託などで運用する際はその投資信託によって、
年間約0.5から2%程度の信託報酬がかかります。
1-3法改正について
法改正に伴いiDeCoのルールが2022年より一部変更になりました。
具体的には
➀加入可能年齢の拡大
②企業型DCとの併用が可能
➀加入可能年齢の拡大
現在は20歳から60歳までが対象になっていましたが、65歳まで加入できるよう変更になりました。
これにより現役並みの所得のある60歳以上の方もiDeCoを利用し、資産形成が可能になります。
②企業型DCとの併用が可能
現在は企業型DCに加入している方はiDeCoに加入することは基本出来ません。
2022年10月以降、併用が可能になります。
まとめると
➀iDeCoは公的年金に上乗せして給付を受けられる年金制度
②掛け金、運用方法など自分で決めることができる反面、運用成果に応じて給付額が変動する
2メリットとデメリット
さて、ここからはなぜ今iDeCoが注目されているのか、iDeCoを利用する際のメリットや注意点について説明していきます。
2-1メリット
まず第一に挙げられるのが税制上のメリットです。
➀掛金が所得控除の対象になる
②受取利息や運用益が非課税になる
➀掛け金が所得控除の対象になるため
課税所得のある方(所得税や住民税を払っている方)はiDeCoに入ることにより、それら税金の負担軽減になります。
②受取利息や運用益が非課税になる
iDeCoで資産運用することによって得られる受取利息や運用益には税金がかからなくなります。
普通は銀行の定期預金の受取利息や投資信託での運用益には20.315%の税金がかかります。
もし、課税対象の口座で100万円の運用益がでても、そのうち約20万円は税金として引かれてしまいます。
第二のメリットは投資先が限られているということです。
投資先が限られているということは選択肢の幅が少ないということなのでデメリットなのではとお考えになる方も多いと思いますが、実際は数が少なくシンプルな投資先が多いので、投資先に悩まずに済むということです。
今まで投資の経験がない人や勉強する暇のない人にとって、投資先選びは相当ストレスのかかるものです。
どこの金融機関も運用実績が堅調な投資信託などをラインナップに入れているので、
比較的投資リスクは少ないと思います。
2-2デメリット
第一のデメリットは原則60歳まで引き出せないということです。
銀行の預金などは自由に引き出すことはできますが、iDeCoの場合それができません。
逆の発想すると60歳まで手が付けられないので貯金ができない人からすると嫌でも貯金ができるというメリットでもありますが、ライフスタイルの変化や結婚、出産などライフイベントなどにあわせて計画的にほかの投資で資産形成をする必要があります。
第二に元本割れのリスクがある点です。
前項で触れていますが、iDeCoは自分で投資先を決定するため、投資先によっては赤字になる可能性があります。特に株式に多く投資する投資信託で運用する際は、株価の値下がりにより損失を被ることもあるので注意が必要です。
なるべく投資対象を一つにするのではなく、株式や債券など分散させて投資することでリスクを低減する必要があります。
第三に手数料がかかるということです。
先述の通り、iDeCoの運用には最低でも年間2052円(税込)がかかります。
現在、銀行の金利はほとんどつかないので、もし仮にすべての資産を銀行預金などで運用する際はほとんど利益は出ません。
つまり年間2052円ずつ赤字になってしまう可能性があります。
ただ所得控除により、基本的には手数料以上の節税が図れますが、実際いくら得をするのか一度計算してみるといいでしょう。
iDeCoを販売している金融機関ホームページなどでいくら節税ができるのかシミュレーションができるので先に確認することを強くお勧めします。
まとめると
➀税制上の優遇がすごい(所得控除、運用益が非課税)
②投資をしたことがない人からすると比較的始めやすい
③節税効果により、損をしないことが多いため、所得税を払っている人で毎月の余剰資金が5000円以上ある人はやったほうがいい
④原則60歳まで引き出せない
⑤運用は自己責任
3申し込みをする金融機関選び
申し込みをする金融機関によって、商品のラインナップ、手数料やサービス体制などが違うので、要注意。
3-1iDeCoの始め方
➀加入資格の確認をする
②毎月の掛金を決定する
③運用する投資先を決定する
④金融機関を決定する
➀加入資格の確認をする
iDeCoに加入する際はまず自分が加入資格があるか確認しましょう。
自分の働き方(会社員、自営業、公務員)や企業年金の有無などによって、拠出限度額(掛金の上限)が違います。
②毎月の掛金を決定する
毎月の掛金は最低5000円から1000円刻みで設定することができます。
原則60歳まで引き出せないので、無理のない範囲で設定することが重要です。
また掛金は年に一回変更することが可能です。
③運用する投資先を決定する
iDeCoでは自分の掛金を自分で運用する点が公的年金と違うところです。
投資先は投資信託(国内株式、海外株式、国内債券、海外債券、不動産)や定期預金、保険などがあります。
投資信託とは目的別に資産運用を信託する方法です。
例えば、国内の主要株式会社に投資する投資信託や国内不動産に投資する投資信託などです。
投資信託にはインデックスファンドとアクティブファンドというものがあります。
インデックスファンドとは日経平均株価やTOPIXなどの株価指数と連動する投資信託のことで、
アクティブファンドとは、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数以上の値上がりを狙う投資信託のことです。
一般的にアクティブファンドのほうがリスクが高いといわれています。
ここでいうリスクとは、予想される将来の株価と実際の株価との乖離、つまり株価のばらつきのことです。
④金融機関を選ぶ
申し込みをする金融機関によって手数料や投資信託の種類が違います。
金融機関を選ぶ際は手数料だけでなくその商品ラインナップも注目したほうがいいでしょう。
iDeCoの取り扱い機関は約160社ほどあり、その中から1社だけを選択、申込をすることになります。
3-2各社の手数料
手数料の安い金融機関を下記表にまとめてます。
金融機関 |
加入時 |
運用期間中にかかる費用(毎月) |
移換時 |
給付時 |
還付時 |
|
拠出あり |
拠出なし |
|||||
2,829円 |
171円 |
66円 |
4,400円 |
440円 |
1,488円 |
|
2,829円 |
171円 |
66円 |
4,400円 |
440円 |
1,488円 |
|
2,829円 |
171円 |
66円 |
4,400円 |
440円 |
1,488円 |
|
三井住友銀行 |
2,829円 |
171円 |
66円 |
- |
440円 |
- |
2,829円 |
171円 |
66円 |
4,400円 |
440円 |
1,488円 |
|
2,829円 |
171円 |
66円 |
- |
440円 |
1,488円 |
|
auカブコム証券 |
2,829円 |
171円 |
66円 |
4,400円 |
440円 |
1,488円 |
2,829円 |
171円 |
66円 |
4,400円 |
440円 |
2,148円 |
iDeCoを取り扱っている金融機関は他にもたくさんあります。
興味があれば資料請求などで手数料を確認しましょう。
3-3主な投資先
具体的な各社商品の説明は割愛しますが、どのような投資信託があるか説明します。
➀国内株式のインデックスファンド
②海外株式のインデックスファンド
③国内株式のアクティブファンド
④海外株式のアクティブファンド
⑤国内債券ファンド
⑥海外債券ファンド
⑧おすすめ
➀国内株式のインデックスファンドとは
国内の株価指数(日経平均株価やTOPIX)に連動する投資信託のことです。
日本の株式に投資するため比較的、初心者向けと言えます。
インデックスファンドは1-2で説明した信託報酬が低いので、お勧めです。
②海外株式のインデックスファンドとは
連動する株価指数は商品ごとに違います。
投資したい国や地域などによって選ぶことができます。
こちらもインデックスファンドなので信託報酬が低いです。
③国内株式のアクティブファンドとは
インデックスファンドと比べ信託報酬、リスクが高いのが特徴です。
アクティブファンドに投資する際は信託報酬などが高いことから、その投資信託の運用が始まってから今までのパフォーマンス(騰落率)を確認したうえで投資することをお勧めします。
④海外株式のアクティブファンドは
GAFAやその他海外の好業績企業に投資できることが特徴です。
アメリカや中国などの株式は日本株より投資マネーが集まりやすく、高い値上がり益が期待できます。
その分信託報酬、リスクはともに高いので、投資になれている方にお勧めです。
⑤国内債券ファンドとは
国内の債券に投資する投資信託です。
国債とは国が発行する債券のことです。社債は会社が発行する債券です。
債券は株式と違い、比較的安全性が高く、安定した投資が可能です。
その分得られるリターンは少なくなりますが、定期預金よりはリターンが高いので、安全志向の高い方やご高齢の方にお勧めです。
⑥海外債券ファンドは
海外の債券に投資できます。
一般的に国内債券と比べ、海外債券のほうが金利が高いことが特徴です。
ただ投資する際は為替リスクも負うことになるので注意が必要です。
こちらも安全性を重視する方にお勧めの投資先です。
不動産に投資する投資信託です。
株式と比べ不動産価値は値動きが少なく、値崩れが起きづらいため、安定しているといえるでしょう。
不動産を貸し出す際の家賃収入などがリターンになります。
国内の不動産投資信託は年間約4%のリターンがあります。
株式よりは安全で債券よりかはリスキーと言えます。
⑧おすすめ
いろいろな投資先がある中、個人的におすすめなものを年代別にご紹介します。
20~40代後半までの方は世界先進国株式に投資する投資信託がお勧めです。
先進国株式の指数として多く用いられているMSCIコクサイ指数という株価指数に連動したインデックスファンドに投資するのがいいと思います。
株式は値上がりが期待できる一方で元本割れするリスクもありますが、若いうちから長期的にiDeCoを利用することでそのリスクは軽減できます。
また株式相場は長期的にみると右肩上がりなグラフになります。
iDeCoは節税が図れるだけではなく運用益も非課税になるため、積極的に運用益を狙っていくことで最大限メリットを活用できると思います。
40代後半~60代までの方は債券や定期預金で運用する割合を増やし、安全に運用していくことをお勧めします。
50代を超えたタイミングでそれまで株式で運用していたものを債券、定期預金などに変えていくのがいいと思います。
4まとめ
ここまでの説明を簡単にまとめると下記のとおりです。
➀iDeCoへの掛金は5000円から1000円刻みで設定でき、その金額は所得控除の対象になる。
②手数料がかかるものの、課税所得がある方は所得控除による所得税、住民税の節税効果で基本的には得をする
③iDeCoで得た運用益は非課税
④原則60歳まで払った金額を引き出せない
⑤申し込みをする金融機関によって手数料、投資商品が異なる
以上iDeCoに関してご説明してきました。
iDeCoは老後資金対策をするうえで、税制上の優遇もあり、有効な手段になります。
今の生活で5000円以上の余剰資金がある場合はiDeCoを利用することをお勧めします。